ペインクリニックpain
ペインクリニックとは
ペインクリニックとは、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などの「筋骨格系疼痛」や、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛などの「各種神経痛」のほか、片頭痛、緊張型頭痛などの「頭痛全般」といった様々な痛みの緩和を目的に行われる治療です。顔面神経麻痺や顔面痙攣など、痛みをともなわない疾患も治療対象となります。
痛みを我慢していると、より強い痛みが発生したり、痛みが長期化するなど、「痛みの悪循環」を招く場合があります。その結果、生活の質(QOL)や日常生活動作(ADL)の低下に繋がることもありますので、そうなる前に、痛みを適切に緩和することが重要となります。当クリニックでは、神経ブロック注射を中心に、患者様を悩ませる痛みの緩和に努めます。
痛みの種類
痛みはその原因や状態によって、「侵害受容性疼痛」「神経障害性疼痛」「心因性疼痛」の3つに分けることができます。痛みが長引く場合などには、これら3つが複合的に関与していることがあります。
侵害受容性疼痛
切り傷や火傷、打撲、骨折などのように体に損傷を受けたときの痛みです。
神経障害性疼痛
病気による神経の切断や圧迫など、神経の損傷からくる痛みです。
心因性疼痛
仕事や人間関係のストレスなど、心理的・社会的な要因によって起こる痛みです。
対象となる主な痛み・症状
頭
頭痛、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など。
顔
三叉神経痛、顔面神経麻痺、顔面痙攣など。
首・肩・腕
頸椎症、胸郭出口症候群、頸椎椎間板ヘルニア、むち打ち、首のこり、肩関節周囲炎、肩こり、四十肩、五十肩など。
胸・腹・背中
肋間神経痛、胸椎椎間板ヘルニア、帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛、筋筋膜痛症候群など。
腰
ぎっくり腰、腰椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、腰椎すべり症、脊柱管狭窄症、腰部脊柱管狭窄症、梨状筋症候群など。
膝・足
膝痛、変形性膝関節症、膝関節炎、下肢血流障害、足のしびれ、足関節痛、足関節炎など。
当クリニックで行っている神経ブロック注射
硬膜外ブロック
脊髄のまわりに局所麻酔薬を注入する治療です。脊髄は「硬膜」という硬い膜で覆われていますが、その硬膜と黄靭帯の間に局所麻酔薬を注入することで、一時的に末梢神経の神経伝達を遮断し、血管の拡張、筋肉の緊張の緩和、痛みの緩和などをはかります。
対象となる痛み・症状
むち打ち、ぎっくり腰、腰痛、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、各部位の帯状疱疹後神経痛など、顔以外のほとんどの部位の痛み・症状が対象となります。
星状神経節ブロック
頸部にある星状神経節に局所麻酔薬を注入する治療です。頸部の交感神経を一時的に麻痺することで血管を拡張させ、交感神経系を介する痛み・シグナルをブロックすることで、頭部、顔、頸部、腕、胸部などの痛みの緩和をはかります。そのほか、血管拡張により酸素や栄養の供給が改善したり、老廃物の排出を促進したりするなど、自然治癒力を高める効果も期待できます。
対象となる痛み・症状
片頭痛や緊張型頭痛、顔面神経麻痺、頸椎椎間板ヘルニア、肩こりなどの上半身の痛みのほか、自律神経、ホルモン分泌、免疫力のバランスを整える効果もあります。
後頭神経ブロック
後頭部を走行する後頭神経に局所麻酔薬を浸潤させることで、頸部痛や後頭神経痛などの痛みの緩和をはかります。後頭神経ブロックの効果は2~3時間程度ですが、「痛みの悪循環」を断ち切ることにより、長期間の痛みの緩和が期待できます。副作用の少ない神経ブロック注射なので、繰り返し行うことで、頭痛などの痛みをコントロールすることが可能となります。
対象となる痛み・症状
頸椎症、頚椎椎間板ヘルニア、帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛などの痛み・症状が対象となります。
肋間神経ブロック
胸神経前枝である肋間神経が、肋骨下縁で走行する箇所に局所麻酔薬やステロイドを注入することで、肋間神経からくる胸腹部や背部などの痛みを緩和する治療です。
対象となる痛み・症状
胸椎椎間板ヘルニア、骨粗しょう症や脊椎圧迫骨折などにともなう肋間神経痛のほか、肋間神経が障害を受ける帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛、陳旧性肋骨骨折による難治性の痛みなどが対象となります。
大腰筋筋溝ブロック
大腰筋と腰方形筋の筋膜間に局所麻酔薬やステロイドを注入することで、腰神経叢または仙骨神経叢の一部をブロックして、腰から足にかけての痛みの緩和をはかる治療です。
対象となる痛み・症状
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などの腰下肢痛、股関節痛、下肢の急性帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛などが対象となります。
トリガーポイント
肩こりや腰痛などが原因で、外部から力が加わると痛みが発生する部分(トリガーポイント)に局所麻酔薬を注入することで、痛みを緩和する治療です。多くの場合、トリガーポイントは外傷や慢性的な筋肉疲労などが原因で発生し、筋肉や筋膜が緊張している部分にみられます。
対象となる痛み・症状
筋肉や筋膜が原因の痛み、むち打ち、頸椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、寝違え、五十肩、筋筋膜性腰痛、テニス肘、ゴルフ肘などの痛み・症状が対象となります。